【薬剤師をやめたい】転職のポイントを徹底解説!|後悔しない対処法やよくある退職理由も紹介

竹中 孝行

薬剤師/執筆者

竹中 孝行

2024/12/12 公開

薬剤師として働く中で、「このまま続けていいのだろうか?」と悩んだことはありませんか?毎日の業務に疲れ、やりがいを感じられなくなったり、将来のキャリアに不安を抱いたりすることは少なくありません。本記事では、薬剤師が転職を考える際のポイントを徹底解説します。後悔しないための対処法やよくある退職理由を紹介し、新たなキャリアへの一歩を踏み出すためのサポートをします。薬剤師としての次のステージを見据えて、まずは自分自身と向き合うことから始めましょう。

目次

薬剤師の主な転職先の選択肢

薬剤師が退職を考える理由はさまざまですが、いくつか共通する要因があります。これらの要因を理解することで、同じ悩みを抱える他の薬剤師たちと共感し、自分自身の気持ちを整理する助けになります。以下に、薬剤師が退職を考える主な理由を紹介します。

ストレスや過労

薬剤師の仕事は高い責任感を求められる反面、業務量も多く、長時間労働が続くことが少なくありません。患者の健康を守るためのプレッシャーは大きく、それが慢性的なストレスや過労につながることも。こうした状況が続くと、心身のバランスを崩し、退職を考えるようになるケースも多いでしょう。

ワークライフバランスの問題

残業や休日出勤が多い職場の場合は、家庭やプライベートとの両立が難しい場合があります。特に、小さな子どもがいる家庭や介護を必要とする家族がいる場合、仕事との両立はさらに厳しくなります。このような理由から、ワークライフバランスを重視して転職を考える薬剤師も増えています。

キャリアの停滞感

薬剤師としてのキャリアが頭打ちになり、成長が感じられないという理由も、退職を考えるきっかけになります。昇進のチャンスが少ない職場や、新たなスキルを習得する機会がないと感じたとき、将来に対する不安が高まり、転職を検討するようになるでしょう。

倫理的なジレンマ

薬剤師として働く中で、時には職務上の決断と個人の倫理観が衝突することがあります。例えば、患者に対して不十分な説明で薬を処方することを強いられる場合や、経済的な理由で必要な薬を提供できない状況など、こうしたジレンマに直面することで、仕事に対するモチベーションが低下することもあります。

転職を決断する前に考えるべきこと

転職を考える際には、衝動的に決断するのではなく、慎重に自分の状況を見つめ直すことが重要です。ここでは、転職を決断する前に考えるべきポイントを紹介します。

自己分析

転職を考える前に、まずは自分自身と向き合い、本当に辞めたい理由を明確にすることが重要です。単なる一時的な不満やストレスが原因である場合、転職以外の解決策が見つかるかもしれません。自分が何に悩んでいるのか、どのような環境で働きたいのかを整理しましょう。

家族や友人への相談

重要な決断を下す前に、家族や友人と相談することも大切です。第三者の意見を聞くことで、新たな視点が得られたり、冷静に状況を判断できたりする場合があります。また、家族のサポートが転職後の新しい環境に順応する際に大きな力となるでしょう。

現在の職場での改善策

転職を決断する前に、現在の職場で問題を解決できる方法を探ることも有効です。例えば、上司に異動をお願いしたり、勤務条件の変更を交渉したりすることで、状況が改善される可能性があります。こうした取り組みを行うことで、転職を避けられるケースも少なくありません。

後悔しないための転職準備

転職を決断した後は、後悔しないための準備をしっかりと行うことが重要です。ここでは、転職を成功させるために必要なステップを紹介します。

転職市場のリサーチ

転職を成功させるためには、まず薬剤師の転職市場の現状を把握することが必要です。求人動向や、どのようなスキルが求められているのかを調査し、自分に合った転職先を見つけるための準備をしましょう。自分の希望する条件に合った求人が見つかるかどうかを確認することが、転職後の後悔を防ぐ鍵となります。

自己PRと履歴書の準備

転職活動においては、自分自身の強みや経験をアピールできる自己PRと履歴書の準備が重要です。薬剤師としての経験やスキルを、具体的なエピソードを交えて伝えることで、転職先に対する説得力を高めることができます。また、志望動機や将来の目標についても明確に記載し、転職先に対する熱意を伝えましょう。

スキルの向上と資格の取得

転職を考える際には、必要なスキル資格を身につけることが重要です。新しい職場で求められるスキルや資格を確認し、それに合わせた学習や研修を受けることで、転職活動を有利に進めることができます。特に、業界の最新の技術や知識を習得しておくことで、競争力を高めることができます。

面接対策と模擬面接

面接は転職活動の最終段階であり、非常に重要なステップです。面接で自分の強みや適性をアピールできるよう、事前に十分な対策を行いましょう。模擬面接を通じて、実際の面接の練習を行い、自信を持って本番に臨むことが重要です。友人や家族、転職エージェントに協力を依頼し、実際の面接の雰囲気を再現してみましょう。

心理的準備とメンタルケア

転職活動は精神的に負担がかかることがあります。ストレスや不安を感じることがあるかもしれませんので、メンタルケアも重要です。自分自身のストレス管理方法を見つけ、リラックスする時間を確保することが、転職活動をスムーズに進めるために役立ちます。

転職先の選びの注意点

新しい職場を選ぶ際には、いくつかの注意点があります。ここでは、理想の転職先を見つけるためのポイントを紹介します。

新しい職場での期待と現実との乖離

転職をする際には、新しい職場に対する期待が膨らみがちですが、現実をしっかりと把握することも大切です。求人情報や面接で得た情報をもとに、実際の仕事内容や職場環境が自分に合っているかどうかを慎重に検討しましょう。また、可能であれば職場見学やインフォーマルな面談を通じて、より詳しい情報を収集することもおすすめです。

自分の価値観やライフスタイルに合った職場か確認する

新しい職場を選ぶ際には、単に待遇や給与だけでなく、自分の価値観やライフスタイルに合った職場を選ぶことが重要です。職場の文化やチームの雰囲気、勤務時間の柔軟性など、自分が働きやすい環境かどうかを見極めるポイントを押さえましょう。自分に合った職場を見つけることで、長く働き続けることができ、転職の成功につながります。

【薬剤師の経験談】転職を決断した理由とその後のキャリア

転職を考えている薬剤師にとって、実際に転職を経験した先輩たちの声は非常に参考になります。ここでは、複数の薬剤師がどのような理由で転職を決断し、その後のキャリアがどう変わったのかを紹介します。

Aさんのケース:ストレスから解放されるための転職

Aさんは、病院薬剤師として働いていましたが、長時間労働や業務のプレッシャーが原因で心身の健康を損なうことになりました。ある日、体調を崩して休職を余儀なくされたことをきっかけに、転職を真剣に考えるようになりました。Aさんは「このままでは自分を壊してしまう」と感じ、ワークライフバランスを重視した職場を探し始めました。

転職後、調剤薬局で働くことになったAさんは、以前よりも仕事の負担が軽くなり、自分の時間を持てるようになりました。「転職して本当によかった。今は家族と過ごす時間が増え、心の余裕ができました」と語ります。

Bさんのケース:キャリアアップのための転職

Bさんは、製薬会社で医薬品の品質管理に従事していましたが、将来的なキャリアアップのために転職を決断しました。長年同じ職場で働いていたものの、業務がルーティン化してしまい、自分の成長が止まっているように感じていました。

Cさんのケース:新しい挑戦を求めて異業種へ転職

Cさんは、長年薬局で薬剤師として働いていましたが、40代を迎えた時に「新しいことに挑戦したい」との思いが強くなりました。CさんはIT業界に興味を持ち、独学でプログラミングを学びながら、異業種への転職を試みました。

最初は苦労も多かったものの、転職エージェントのサポートを受けながら、ついにヘルスケア関連のIT企業に就職することができました。「異業種への転職は大きな決断でしたが、今は新しいスキルを身につけることが楽しく、毎日が刺激的です」とCさんは語ります。

【採用側の視点】薬剤師に求められるスキルと人物像

薬剤師が転職を成功させるためには、採用側が何を重視しているかを理解することが重要です。この章では、採用担当者が重視するスキルと求める人物像について詳しく解説します。

コミュニケーション力

店舗のあらゆる場面でコミュニケーションは大切ですので、会話するときの表情、会話の受け答えに問題がないかはよく見ているポイントです。どうしても面接のときは緊張してしまうことがあるかと思いますが、丁寧な受け答えをするよう心がけましょう。まずは、笑顔で挨拶をしっかりするなど基本的なコミュニケーションを大切にしましょう。

責任感

今までのご経験のなかで、他責になっている場面がないかはよく見ているポイントです。面接でよく聞かれるポイントでもありますので、今までの勤務経験のなかで、ご自身が責任をもって取り組んできたことをしっかりと話せるようにしましょう。

経験と実績

今までのご経験と実績は高く評価します。例えば、在宅医療で施設の往診同行をやっていました、個人在宅を〇件担当していました、加算算定に向けてこんな取り組みをしていました、など実績がある方は、とても好印象です。具体的な実績がみえてこない方の場合には、この人履歴書上ではこう書いているものの、大丈夫かな?と不安になることがあります。

薬剤師からのキャリアチェンジ

薬剤師としてのキャリアに限界を感じたり、新しい分野に挑戦したいと思ったりする方にとって、キャリアチェンジは一つの選択肢です。ここでは、薬剤師からのキャリアチェンジについて解説します。

他職種への転職可能性

薬剤師の資格や経験は、他の職種への転職にも活かすことができます。例えば、製薬会社での医薬品開発や、医療機器の営業職、さらには医療関連のコンサルタントなど、薬剤師としての知識を活かせる職種は多岐にわたります。自分の興味や得意分野を考慮し、新たな分野にチャレンジしてみるのも一つの選択肢です。

全く新しい分野への挑戦

薬剤師としてのキャリアに固執せず、全く異なる分野に挑戦することも可能です。例えば、ITやマーケティング、教育分野など、興味がある分野に飛び込んでみることで、新たな可能性が広がります。ただし、全く新しい分野に転職する際は、リスクも伴うため、十分な準備とリサーチが必要です。

転職後に後悔しないために

転職後に後悔しないためには、新しい環境に適応するための準備が欠かせません。ここでは、転職後に意識すべきポイントを紹介します。

転職後は慣れることから

新しい職場に順応するためには、まずは新しい環境に慣れることが大切です。最初の数か月は環境に慣れることが課題となるため、自分自身にプレッシャーをかけすぎず、ゆっくりとペースを掴んでいくことが大切です。また、周囲とのコミュニケーションを積極的に図り、職場での信頼関係を築くことも忘れずに。

継続的なキャリアアップ

転職後もキャリアアップを目指して自己研鑽を続けることが大切です。新しい職場での経験を積み重ね、さらにスキルを磨くことで、自身の市場価値を高めることができます。また、定期的にキャリアプランを見直し、目標を設定することで、長期的な成長を実現しましょう。

『薬剤師』『転職』に関するよくある質問

転職活動や面接に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめたFAQセクションです。面接での具体的な質問への対策や緊張を和らげる方法、服装選びのポイントなど、実践的なアドバイスを提供します。よくある疑問に対する答えを確認することで、転職活動をよりスムーズに進めることができます。

薬剤師の面接でよく聞かれる質問は何ですか?

竹中 孝行

薬剤師

竹中 孝行

職場環境に関する質問が一番よく聞かれます。職場の処方箋枚数、診療科目、在宅医療の有無、スタッフ数、男女の割合など気になる方は多い印象です。一方、会社の方針や今後の薬局運営をどのようにしていきたいか、など広い視点での質問は好印象を与えるかと思います。

面接時に強みを効果的にアピールするためにはどうすれば良いですか?

竹中 孝行

薬剤師

竹中 孝行

強みをアピールするときには、強みの根拠となる実績や具体的なエピソードを伝えるようにしましょう。
具体的な事例があることで大きなアピールとなりますし、その強みが生かせるような人材配置を会社側でイメージしやすく、ご自身が活躍できる場所に就任できる可能性も拡がってきます。

面接での服装選びのポイントは何ですか?

竹中 孝行

薬剤師

竹中 孝行

一般的にはスーツが好ましいですが、一概にスーツが求められるわけではありません。事前に面接者に服装について確認を行い、スーツ姿が求められない場合には、清潔感のあるビジネスカジュアルの格好でいくことが無難であると考えます。

まとめ

薬剤師が転職を考える際には、さまざまな理由や要因が絡み合いますが、しっかりと準備を行い、自分に合った転職先を選ぶことで、後悔しないキャリアチェンジが可能です。本記事で紹介したポイントや経験談を参考に、あなたの新しいキャリアへの一歩を踏み出してみてください。成功する転職には、冷静な判断と十分なリサーチが必要です。新たな環境で、さらなる飛躍を目指しましょう。

竹中 孝行

執筆者竹中 孝行

薬剤師

薬剤師。外資系製薬会社に勤務後、保険薬局勤務を経て、2012年株式会社バンブーを設立。薬局、介護、美容事業を運営。 一般の方に薬局・薬剤師のことをより知ってもらうことを目的に、2016年一般社団法人薬局支援協会を設立。

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